歌写 "kasha" ~奏でる写真~

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芸術鑑賞

ちょっと前にmixiでナマイキなことを書いたのですが、非mixiの写真友達が読んでみたいと言ってくれたので、こちらにアップしてみます。しっかしあらためて読み直すとホントにナマイキなこと書いてるなぁ(笑)。ちなみに写真は記事とは全く関係ありません。

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土曜日は写真仲間と山形は酒田にある土門拳記念館に行ってきました。ぶっちゃけ、わたしはあんまし写真家さんに詳しくないので土門拳とゆってもピンと来ないんだけど、楽しそうだし刺激もあろうということでご一緒させていただきました。

やっぱ作品を見るというのは刺激になります。とにかく疲れました、、、良い写真や絵画はパワーを持っているので見ていると疲れる、というのはNYに行ったときに案内してくれたガイドさんから聞いたハナシだけど、まさにその通り。そんなに大きなミュージアムじゃないのに途中で休憩を入れないと目がヨヨヨになってきます。おそらくそういう人が多いのでしょう、フロアのそこかしこにイスが用意されてました。

で、こっからはちょっとヤーなハナシ。

我々は見始めてからすぐにオッサンオバチャンが数名入場。その中の一人のオバチャンが、入り口の作品を見てデカい声で騒ぎ出す。「いやー、懐かしいわー、この風景!」。作品は昭和20年前後の東京の風景で、オバチャンにはさぞ懐かしい風景なのでしょう。それまで静かに見ていたのですが、一気に集中力を削がれ、いやそれはわたしだけでなく同行の仲間が「すみませんが、、、」とご注意申し上げたのと同時に他のお客からも「うるさい!」と怒号が。まー、ここまでは、美術作品は静かに鑑賞しましょう、ということなんですが、、、

わたしが気になったのはオバチャンが騒いでいる中で、「いやー、ここに写ってる○○ホテルってあったわ、懐かしい~」。確かに隅っこにそんな看板が写っていた。まぁ、見たままが声に出てしまったのかも知れんけど、そうやって見るもんじゃないと思うんですけどぉ、、、と言いたい。あの作品の主題は他にあって、看板は背景のほんの一部。

写真てのはそこにあるものがそのまま写ってしまう。だから写っているものを見るのは誰にもできる。そして作者が意図しないものまで写ってしまう。見るべきものを見ないで、意図しないとこを見られて評価されるのは、とても残念なことです。それは写真だけでなく、音楽でも絵画でも同じこと。ただ、絵画や音楽は経験を積まないと見えても聞こえても理解はできないという障壁がありますが、写真の場合はそれが目では見えちゃうので、こういうことが起こる。

わたしは華道のたしなみがありません。なので華道作品を見てもサッパリわからず、わたしに見えるのは花瓶からひょいと伸びた草花だけ。しかし、そこに一輪だけ変わった色の花が咲いていたとしても、それだけを見て「あ、ヘンな色の花だ!」ということは思いません、、、いや思いたくありません。できるだけ思わないようにします。

なぜならば、その一輪だけを見て「ヘンな色」だというのは、おそらく華道の鑑賞ではないからだと思うから。たぶん華道というのは全体のバランスだとか、見せ方とか、そんなところに生けた人のメッセージがあるんだと思います。生けた人が良いと思った生け方を見て、なるほどと思うのが鑑賞なんだと思うから、そういう見方ができるように「努力して見る」のが作者に対する敬意でもあり、見方だと思います。

盆栽もよくわかりませんが、例えばナナメになった松の木を後ろ側から見て「あ、やっぱりこんな見えないところにつっかえ棒で支えてやがる(笑)」なんて見方はしません。いや、するかもしれんけど、それは盆栽の見方ではなくオマケというか冗談というかであって、盆栽は正面から見て枝ぶりとかを、わかんないなりに見ようとします。

別にこうして見なきゃならないということはないと思いますが、少なくとも作者は作品全体にわたって気を配り作品を完成させており、また作品にメッセージを込めているワケで、作者にできるだけ近づき、その辺を読み取ろうとするのが鑑賞だと思います。ただ、その方法については決まりがないだけで、見るひとそれぞれがいろんな見方をする中で作者に近づいていけば良い、、、それが許される自己流なんじゃないでしょか。

どんな見方したっていいだろう、、、はい確かにその通りです。ただ、作品を理解しようとせずワガママな見方をして評価するというのは、とても幼稚であり残念なことだと思うのですね。特に写真というのは「芸術」という面と「記録」という面を併せ持っているので、その辺が勘違いされやすい。これが例えば音楽でフリージャズとかだと音は聞こえてきてもナニがなんだかわかんないので(笑)、こういうことが起こりにくいのですね。

今回のオバチャンはハタ迷惑もあり、はっきりと「悪」と決めつけることができますが、写真でも絵画でも展覧会や、音楽のリサイタル等に行ってみると、こういう残念なことを言っているひとを必ず見かけます。わたしがマニアックなところももちろんありますが(それはそれで残念ですがw)、芸術というものをもう少しちゃんと理解する人がこれからどんどん増えていって欲しいなぁ、と思ったりするワケです。
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by panda-dan | 2013-06-30 09:31 | Comments(0)